多数決=民主主義ではないことを分かりやすく解説! 民主主義の本質とは

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民主主義といえば多数決だけど・・・

みなさんは民主主義と聞くとどんなものを思い浮かべますか?

「選挙によって選ばれた代表者である議員が多数決によって法律や政策を決定していく」

大体の人が想定する民主主義ってこんな感じだと思います。

もちろんこれは間違ってはいないですし、実際そうやって日本の政治が運用されているのは事実です。

このことから多くの人が多数決=民主主義だと思っているのではないでしょうか。

仲間内で何かを決めるときに、多数決で勝った方が「日本は民主主義だから」なんて言ってるの聞いたことありませんか?

確かに、より多くの人の意見を採用しているので一見多数決は正しいように思えます。

ですが果たして、多数決=民主主義と言っていいのでしょうか。

多数決は民主主義の本質ではない?

ニュースなどで時々、「与党の強行採決」などが話題になったりすることがあります。

日本の国会の仕組みは衆議院に優越が与えられているため、衆議院で過半数を獲得した党、すなわち与党が絶対的に物事を決められるようになっています。

理想的には全会一致で採決されるのが好ましいですが、自分の政策を実現させたい与党は早く議論を切り上げて可決したいですし、納得いかない野党は議論を長引かせたり説明を要求することで採決を先延ばしにしようとします。

結果として、与党は反対の声が大きかったり議論が不十分でも自分たちの党員のみで採決を押し切ることがあります。これが強行採決です。

こういった流れは特に意見が割れやすい「国の方向性に大きく関与する議題」で頻繁に見受けられます。

例えば安保法制、改憲議論、消費税増税などもこれに該当するでしょう。

こうした強行採決に対する批判として、「数の横暴だ」とか「民主主義の否定だ」という指摘がなされることがあります。

民主主義=多数決であるならばこういった批判は的ハズレということになりますが、こういった批判がなされるのは「多数決=民主主義ではない」からなんです。

こうした強行採決に限らず、国会における全ての議題は基本的には多数決によって採決されます。

ですが、それら全てにおいて民主主義を民主主義たらしめているのは多数決ではないのです。

では民主主義の本質とは一体何なのでしょうか。

多数決が必ずしも正しいとは限らない

民主主義の本質を分かりやすく説明するために、簡単な例を出します。

A~Eの5人からなるグループがみんなで食事に行くことになりました。

5人は最終的に多数決によって何を食べるか決定します。

それではいきなり多数決です!肉と魚、食べたいのはどっち?!

はい決まりましたね。肉に決定です。肉を食べに行きましょう。

・・・ちょっと待ってください。でも本当にそれでいいんですか?そんな簡単に決めちゃっていいんですか?

では例えば、こうだったらどうでしょう。5人がそれぞれ肉の場合と魚の場合の幸福度を数値化してみます。

合計
10 10 10 3 3 36
8 8 8 10 10 44

魚を選んだ2人は肉が苦手なので肉を選んだ場合の幸福度は低いです。

一方で、肉を選んだ3人はどちらかと言えば肉の方が良いけど、別に魚でも良いかなと思っているので魚の場合の幸福度はそれほど低くはありません。

そして各人の幸福度が表のような場合、肉を選ぶと全員の幸福度の合計は36、魚を選ぶと全員の幸福度の合計は44になります。

この場合、肉と魚どちらに行くのが正しいと思いますか?きっと魚の方が正しいと思うはずです。

ですが最初示した通り、単に多数決をとっただけでは肉に行きたい人の方が多いため肉を食べることになってしまいます。

つまり多数決は必ずしも正しい答えを導き出すとは限らないということなんです。

民主主義の本質は議論すること

さて先ほどの例の続きで話を進めていきます。

5人が互いの一切の情報も知らずにいきなり多数決をとったら全体の幸福度が低い選択肢が採用されてしまいます。

3人の幸福度を少し上げるために2人が大きな損害を被っているわけです。これがいわゆる「数の暴力」と言われるものです。

ですが互いの幸福度が分かるように意見を出し合ったとします。

「僕は肉が苦手なんだ・・・」とか「肉の方が好きだけど、まあ魚でもいいよ。そのかわり寿司がいいな!」といった風に意見を互いに出し合います。

そして互いの幸福度を全員が知っている状態で再び多数決をとってみましょう。

するとどうなるでしょうか。おそらく全会一致で魚に決定するはずです。

この結果をもたらしたのは「多数決」ではありません。

5人が互いに話し合い、互いの意見を知ったうえで導き出した答えです。

つまり「議論」がこの正しい答えを導きだしたということです。

この議論こそが民主主義の本質なのです。

多数決とは、理想的には全会一致が好ましいがどうしても意見が揃わない場合に使う便宜上の最終手段でしかありません。

少しでも多くの議論をして、少しでも多くの人が満足しうる結論を探し出すことが民主主義の本質なんです。

もしかしたら、5人の中に1人ベジタリアンの人が混じっているかもしれません。

アレルギーで食べられないものがある人がいるかもしれません。

誰かが情報網を駆使して魚も肉も野菜も食べられる店を探してくるかもしれません。

そうやってたくさんの意見・情報を互いに知っていくことで導き出す答えも変わってくるはずです。

そして、導き出される結論もより理想的なものになっているはずです。

そうすればどんどん全体の幸福度も高まりますし、「グループの結束」も強まりますよね?

これが民主主義の理想的な形なんです。

時には、議論した結果、意見が食い違ったり結論が割れることもあるかもしれません。

そうしたときに、初めて多数決によって決めざるを得ないということになってくるわけです。

仕方なく納得するために便宜的に多い方の意見についていこうとなるわけです。

あくまでも多数決は最終手段なんです。手段であって目的ではありません。

数で押し切ることを目的とした途端に民主主義は崩壊します。

民主主義の目的は議論して最善の答えを導き出すことなんです。

Win-Winこそ民主主義のゴール

「民主主義の本質は議論することである」というのは分かっていただけたでしょうか。

先ほどは5人が食事に行くというシンプルな例で解説しましたが、実際の政治の場で行われる議論はもっと複雑です。

現代社会では我々ひとりひとりが多様なアイデンティティや価値観を持って暮らしています。

性別、年齢、職業、収入、宗教、住所・・・全部あげたらキリがないくらいですね。

世の中はオセロみたいに白黒、表裏みたいに単純な世界ではありません。たくさんの人が様々なバックグラウンドを持って暮らしているわけです。

それらを尊重し、認め合い、互いが納得し合う答えを見つけ出すのが政治の役割りなんです。

実際の社会問題を例に考えてみれば、「高齢者の年金を減らさないかわりに若者の育成に税金をまわして!そうすれば社会保障費を払えるからさ!」とか「保育所を増やさなくていいから、その代わり子育てと仕事が両立できるようにパートタイム労働の環境を整備して!」とかみたいな議論ができるわけです。

それぞれが、「ここなら我慢できるかな?」とか「ここだけはどうにかして欲しいな」みたいな意見を出し合い、互いに協力して理想的なゴールに向かって進んでいくことができます。

自分の要求を全て押し通すために勝ち負けをハッキリさせるのではなく、みんなが幸せになるWin-Winの状態に持っていくことこそ「政治の勝利」なわけです。

5人の例は友達同士だったりすれば理想的な結果になるかもしれませんが、もし5人の性格が悪かったり、頭が悪かったりしたらどうなるでしょうか。

必ずしもうまくいくとは言えないですよね。自分勝手に意見を言ったり、相手の話を聞かなかったり、嫌がらせをするために相手の意見に反対するかもしれません。

ですから我々は代表者として政治家を選ぶわけです。議論がより建設的に理想的に進んでいくために、知性や人徳を持ち合わせた人が代表として議論を行うわけです。

我々有権者がすべきことはそうした自分の意見を代表し、知性や人徳を持って議論を建設的に進められる政治家を選ぶことです。

また、たとえその政治家が自分の意見とは異なる答えを議論の末に導き出したとしても最大限それを尊重しなければなりません。

また一方で、与党であろうと野党であろうと、対立を煽ったり、相手を貶めたり、足を引っ張り合ったり、ヤジを飛ばしたりするような政治家がいたら我々有権者は厳しく非難しなければなりません。

これが民主主義のあるべき姿なんです。

さいごに

日本の選挙における投票率は低下傾向にあります。

誰に投票したらいいのか分からないから行かない人、自分には関係ないから行かない人、たくさんいると思います。

でもそれってちょっと勿体ない気がするんです。

あなたが普段生活していて感じたこと困ったこと、どんな些細な事でも政治の議題になりうるんです。

残業が多くて大変だ、もっと地元に観光客を呼びたい、男性も育休を取りやすくしてほしい、病気や医療のことをもっと知ってもらいたい、同性婚を認めて欲しい、学費をもっと安くしてほしい、アニメ文化を世界に広めたい・・・

本当にどんなことでもいいんです。

まずはあなたがどう思っているのか、どうして欲しいのかを伝えることが大切です。今はSNSなどもありますから、簡単に自分の意見を発信できます。ブログに書かれた「保育園落ちた日本〇ね」が話題になったのも記憶に新しいですよね。

また、最近はあまり印象がよくないかもしれませんがデモをするなどの方法もありますし、署名をあつめたりすることもできます。

なんだったら政治家に直接言う事もできるでしょう。議員事務所にいってその政治家がどう考えているのか直接聞くこともできるでしょうし、今は政治家もSNSをやってますから暇そうな政治家がいたら問いかけてみるのもいいかもしれません。

そうして自分の意見をしっかり発信したあとで、ちゃんと投票に行く。

そうすれば政治家はあなたのための政策を打ち出し、あなたのための議論を国会でおこなってくれます。

あなたが何も言わず、また投票にも行かなければ政治家は保身のための権力闘争を始めます。

対立を煽り、自分たちの都合で議題や政策を決定しだします。

政治家の質もドンドン低下しますよ?

記者会見で号泣したり、秘書を「ハゲ―!」と罵ったり・・・

巻き込まれた国民はただ損をするだけです。そんなの嫌ですよね?

政治に詳しい必要も熱心である必要もありません。

あなたの生活のことを考えて投票に行くだけでいいんです。

あなたの生活とこれからの日本を少しでも良くするために、投票行ってみませんか?

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