結局トランプは何で勝てたのか

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敗戦確実と言われていたトランプがまさかの大統領に

昨年の冬、世界を揺るがすニュースが飛び込んできました。

あのドナルド・トランプがアメリカ大統領選挙でクリントンを打ち破ったのです。

クリントン勝利が確実だというメディアの連日の報道とは真逆の結果に日本も騒然となりました。

まさかの結果に世界では彼の当選を歓迎する声と悲観にくれる声が入りまじりました。

そして大統領に就任した現在も彼に反発する人は多いです。

では一体なぜトランプは大統領選に勝利することができたのでしょうか。

その辺について今回はまとめていきたいと思います。

勝因その1 「国際情勢」

トランプといえば「暴言王」の異名を持つ通り、その歯に衣着せぬもの言いが話題となりました。彼の暴言は多くの反発を招きましたが、結果的には多くのアメリカ国民が彼を支持する要因ともなりました。

そんな彼の暴言の主な矛先となったのが「外国」です。

中国、イスラム圏、メキシコ、そして日本。彼のターゲットは多岐に渡りました。

中にはこんな動画をつくる人も現れ・・・

どんだけ中国嫌いなんだよ・・・(笑)

このようにアメリカが外国に対して敵対心をもつようになったのは国際情勢が絡んでいます。

まず、上の動画でも分かる通り「中国」との関係です。

中国はここ何年かで急速に成長し、経済・貿易・政治といったあらゆる場面でその存在感を強めています。

アメリカはこれが気に食わないわけです。

「好き勝手やってんじゃねーよ」と。

「少しは気をつかえコラ」と。

もう一つアメリカが敵対しているのがイスラム国です。

みなさんご存じの通りイスラム国は過激なテロ集団で、すでにアメリカやフランスといった様々な国々で被害を及ぼしています。

これに対して「あいつら怖えーから、もう関わるのやめようぜ?入国禁止な」

というのがアメリカの判断なわけです。

今までのアメリカだったら「許さねえ!正義の名のもとにぶっ殺してやる!」となったんですが、アメリカ国民の多くはイラク戦争でもう懲り懲りだと思っています。

「正直もう関わりたくないよ・・・」というのが本音なわけです。

アメリカ人は銃なんかブッ放して好戦的に見えますが、儲からない戦争はしません。アメリカ合衆国を作ったのはヨーロッパからの移民なのですが、彼らがアメリカ大陸に来た主な理由は「ゴールドラッシュ」、つまり金儲けのためです。また彼らはヨーロッパで頻発する宗教戦争や内紛に嫌気がさした人々とみることもできます。

つまりお金はめっちゃ好きだからお金になるなら戦争もするけど、基本的には争い事は嫌いだよ。という人々の集まりなわけです。

アメリカ国民の多くはイラク戦争の経験から、戦争なんかしても自分の生活は豊かにならないと分かっているわけです。

だから「もう他所のことは知らん!自分の国だけとりあえず守る!」と言ったトランプが支持されたわけです。

クリントンはその辺はむしろ逆でしょう。というかヒラリーは以前から「イスラム国と繋がっているのでは」という疑惑が持ちかけられていますから、アメリカ国民としてはそんな人を大統領にはしたくないと思いますよね。

「偽善を振りかざした世界の警察なんかやりたかねーよ」というわけです。

勝因その2 白人貧困層と経済格差

トランプを支持した人たちの中核を担ったのが貧困層、特に「ブルーカラーの白人」でした。

彼らはグローバリズムの煽りを受け、賃金低下や失業といった目に合わされてきた人たちです。

突然ですが、象のチャートというのをご存知でしょうか。

これが象のチャートです。こちらのグラフをみるとまるで象のように見えると思います。

あ、右側が頭ですよ。

このグラフは所得層ごとの所得の増加を示したものなんですが、AとCがとても高くBが低くなっているのが分かると思います。

このAというのは先進国の富裕層です。ビルゲイツとかソフトバンクの孫さんがここにいます。

そしてBというのは先進国の中間層~貧困層です。先ほどのブルーカラーの白人がここに入ります。

最後にCというのが後発国の中間層になります。爆買いに来てる中国人とかはここに入ります。

これを見てわかる通り、世界で収入が増えているのは先進国のめっちゃ金持ちと後発国の一般層です。先進国の一般層の収入は全くと言っていいほど伸びてません。

つまりこのグラフが先進国で経済格差が広がっている実態を示しているというわけです。

このような事態を引き起こした原因が「急速なグローバリズム」です。

グローバリズムが進んだ結果、労働者を雇う側である企業はより安い労働力を求めて外国へと進出していきました。

その結果、後発国の労働者と先進国の富裕層だけが儲けまくり、先進国の中間層や貧困層は置いてけぼりになってしまったというわけです。

これに対する反動で生まれたのが今世界中で広がりを見せている「反グローバリズム」の流れです。

そしてアメリカにおいて、この「反グローバリズム」の中心にいるのが白人ブルーカラーというわけです。

ドナルドトランプは彼らに代わって言います。

「アメリカで商売する企業はアメリカ人を雇え!」

彼らにとってドナルドトランプという男はまさに救世主なわけです。

オバマケアへの失望も加担してトランプは一気に支持を獲得しました。

アメリカの輝かしい時代、すなわち「アメリカンドリーム」を再び取り戻そうとした結果が今回のトランプ勝利なわけです。

もちろんこういった回帰的・保守的志向は「性差別」や「人種差別」という好ましくない要素も孕んでいるため様々な軋轢を生んでいるのも事実です。

勝因その3 トランプのメディア戦略

今回の選挙ではとにかくトランプの選挙戦略が光りました。

彼の過激なスタンスは反発も招きましたが、その一方でより熱狂的な支持も獲得しました。

彼の一貫した態度を「リーダーシップがある」とアメリカ国民は捉えたわけです。

今回のトランプ勝利はある意味「民主主義の限界」だとも言えます。本来、民主主義は「自分の代わりに正しい判断、正しい行いができる人を代表者に選ぶ」ものです。しかし今回の選挙は「正しいかどうかは別として、自分の代わりに言いたいことを言って嫌われてくれる人を代表者として選んだ」と言うことができます。

ですから、メディアは連日トランプがいかにダメかを連日報道し、ネガティブキャンペーンを行いましたが、結果としてそれがトランプの宣伝になったということなんです。これがトランプ勝利を後押ししました。

それとSNSも今回重要な役割を果たしています。

トランプはSNSを積極的に利用しています。最近でもツイッタ―での発言が注目を集めていますが、こうしたSNSの積極的な利用がトランプと大衆との間を引き付けました。

トランプはテレビや新聞といった既存のメディアを飛び越え、SNSで直接人々のコミュニティの中へ語り掛けていきました。今回メディアがトランプ勝利を予測できなかったことの要因にこうしたスモールコミュニティの機微を大きなメディアが捉えきれていなかったというのがあります。

例えば、メディアや有識者というのは「女性」や「有色人種」、「LGBT」といった人々はトランプには投票しないだろうと安易に考えていました。

しかし実際にはそういった人達の内、少なくない数の人々がトランプに投票しました。「女性」や「人種」、「性的志向」といったアイデンティティが彼らの価値判断の全てを握っているという安直な考えが多くのメディアの中にはありましたが、トランプは彼らのコミュニティに働きかけ支持を得ることに成功していたというわけです。

そういったメディアが捉えきれなかったトランプ支持者、いわゆる「隠れトランプ」の存在が今回の選挙のカギを握りました。こうした隠れトランプに加え、もともとサンダース氏を支持していた若年層などの浮動票も抱え込みトランプは一気に形勢逆転したのです。

まとめ

こうして考えていくとトランプ勝利は起こるべくして起こったと言わざるを得ません。

トランプ勝利は様々な要因が重なり合ったことで起きたことです。もちろん、ここで挙げたことが全てではありませんし、他の要因が隠れているかもしれません。とにかく多くのアメリカ国民が「変革」を望んだことは事実です。

また、「トランプの勝因」は裏を返せば「クリントンの敗因」でもあります。トランプがベストな選択だとは言えませんが、トランプを選びたくなるほどクリントンや既存政治への不信感も強かったということでもあります。

トランプはこれからの行い次第でアメリカ史に残る「最も偉大な大統領」にも「最低最悪の大統領」にもなることができると僕は思っています。

なるべく人々の軋轢や分断を生まないかたちでアメリカという国を建て直していって欲しいと願うばかりです。

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